写真提供アフロのブログ

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地域の魅力「ヒト・コト・モノ」をビジュアルで発信するために vol.1

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早朝の三重県南伊勢町、五ヶ所浅間山からの五ヶ所浦の景色(写真:田中庸介/アフロ)

突然ご紹介させていただいたこの絶景は三重県南伊勢町にある五ヶ所浅間山で早朝に私たちが撮影した写真です。まだ日の出前の5時半に出発、30分程度の登山でこの鳥居越しの美しい景色に出会うことが出来ました。改めて、日本には私たちがまだ知らない絶景など地域の魅力がたくさん眠っていることを感じました。今回はこの写真を撮影することになったプロジェクトのご紹介です。

私たちは「令和3年度三重のふるさと応援カンパニー」として、三重県玉城町、南伊勢町、尾鷲市の「ヒト・コト・モノ」など地域の魅力をビジュアルで発信をするプロジェクトに取り組んでいます。このプロジェクトの目的は三重県庁の立ち合いのもと、地域団体と連携して農山漁村地域の「関係人口」を増やしていくことです。地域創生に関するさまざまな話題や施策で関係人口という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは新型コロナウイルスの感染拡大を経験した私たちにとってますます大切なものになっています。

この記事ではアフロが行った関係人口に関する「令和3年度三重のふるさと応援カンパニー推進事業」のご紹介と、今回の取り組みを通じて写真や動画といったビジュアルが関係人口創出への貢献できる可能性について紹介したいと思います。

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三重県尾鷲市の地域おこし協力隊のみなさん。定住移住や関係人口創出においてもその役割は大きい。(写真:田中庸介/アフロ)

まずは三重県庁の三重県農林水産部農山漁村づくり課の梅村さんに「令和3年度三重のふるさと応援カンパニー推進事業」について、どういう狙いや期待を持っていたのかお話を伺いました。

アフロ・斎藤:
三重のふるさと応援カンパニー推進事業の説明の前に、三重県の農山漁村での関係人口に関する取り組みにはどういう狙いがあるか教えていただけますか?

三重県庁・梅村氏:
私たちは農林水産部ですので、農山漁村地域に人々が安心して住み続けられる環境づくりが最終的な目標です。そのためには、そこに住んでいる人々の生業が永続的でないといけません。もちろん、その中心は農業や漁業、林業になるのですが、プラスアルファでさまざまな所得を得られることが安定した生活づくりにつながると考えています。
そのために都市部の方々に農山漁村地域に興味を持っていただいたり、訪問していただいたりするために三重県に関係する事象を多く作りあげていくことが大切だと考えていて、それが農山漁村地域に住んでいらっしゃる皆様の安心につながっていくと考えていますので、そういった観点で関係人口に関する取り組みを続けています。

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古くから漁師町として栄えてきた三重県尾鷲市の尾鷲漁港。山に囲まれ良質な天然漁場に恵まれている。(写真:田中庸介/アフロ)

アフロ・斎藤:
三重のふるさと応援カンパニー推進事業は関係人口に関する施策だと思いますが、これまでの同事業についてお聞かせください。

三重県庁・梅村氏:
これまでの取組としては、企業の方に対象となる地域に実際にお越しいただき、人と人が触れ合う距離感で地域の課題解決に向けて住民と共に尽力をいただくものでしたが、このコロナ禍で分断されてしまいました。地域側も入ってきてほしい気持ちはありながらも来ることに不安を抱え、企業の方も地域に迷惑をかけてはいけないと躊躇され、これまで築き上げてきたものが全て崩壊してしまうという現状がありました。
一方、このような状況下にあっても、次につながることやできることに取り組んでいこうと思い、調査・研究を重ねたうえで、今回の取組につながる企画提案コンペを発注するに至りました。

アフロ・斎藤:
令和3年度の事業でザイグーやアフロの提案はどういった経緯で採用されましたか?

三重県庁・梅村氏:
関係人口の創出は、まずは農山漁村地域に興味を持っていただく、知っていただくということから始まると思っていて、そのためのツールとして情報発信は非常に有益なものだと思っています。また、情報を欲しい人にいかにダイレクトに素早く届けるかというのが大切なのですが、そこが現状の課題だと認識していました。
今回のザイグーとアフロのコラボレーションの提案は、私たちが求めていたことが展開されていくという期待や可能性を感じました。実際に事業を進めていただいている状況においてもコロナ禍での制約がありながら、オンラインを活用したワークショップの開催などを着実に実行していただいています。
今後、このような取り組みがより充実し、広く世の中に展開されていくことによって、想定していなかった効果も出てくるのではないかと期待しています。

アフロ・斎藤:
今回の私たちの取り組みは、自分達の取材だけでなく、さまざまな成果物や地域の方々が撮影したあらゆるものをアーカイブしていき、情報発信のインフラを形成して、一過性の情報発信ではなく永続的な情報発信に寄与していきたいと思っています。
実際に三重県3地域を訪れて、自分も完全に三重県の関係人口になったと感じています。私自身、今回の滞在で人と関わって旅する面白さを感じました。それは決して取材だったからというわけではなく、関わった皆様の温かさに触れることができたからではないかと思っています。そして、これまでこのような旅ができなかったのは、自分自身が地域の人とどのように接点を持てば良いのかわからなかっただけだと思いました。

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空き家を改装したシェアキッチン「うみべのいえキッチン」とスタッフの舌古(ぜっこ)さくらさん。生まれも育ちも三重県南伊勢町の舌古さんは優しくおおらかな表情が印象的。趣味は意外にもスケートボード。(写真:田中庸介/アフロ)

例えば、今回訪れた南伊勢町では「うみべのいえキッチン」という地域のさまざまな人が代わる代わる出店しているシェアキッチンがありました。そこに行けば地域のいろんな方々と繋がれることができることを知りました。
そういった、地域にはどういう人がいて、どういう場があるのか、またどういう関わりがあるのかを取材・撮影し、そして発信やアーカイブをしていきたいと強く感じました。

三重県庁・梅村氏:
この事業に取り組む私達のイメージとしては、今回、ご縁がありました斎藤さんに、三重県という良書を紹介させていただいたようなものだと思っています。実は、そのことだけで私たちの業務は完了しているとも思っています。良い本は人生の重ね方やその時々の自分自身の整い方で楽しみ方が変わってくるものと思っていますし、だから何回読んでも楽しめるものだと思います。
先ほどの斎藤さんの話を伺って、三重県という沼にハマっていただけたなあと感じました (笑)。その時の年代でしか感じられないこと、若い時では感じることができなかったことを楽しんでいただけたのかと思います。そういう意味でも三重県というものを企業の方に知っていただくことだけで十分意味があると思っています。

アフロ・斎藤:
この夏、まずは妻をそそのかして1週間くらい三重県に旅行に行きたいと思っています(笑)。ありがとうございました。

(聞き手:令和3年度三重のふるさと応援カンパニー推進事業 弊社担当 斎藤紘一)

 

参考:
うみべのいえキッチン
住所 三重県度会郡南伊勢町五ヶ所浦988-64

www.facebook.com

 

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今後、数回に分けて株式会社ザイグーのご担当者様インタビューや実際に取材した現地の様子を書いていきたいと思います。今回は最後に「関係人口」と「令和3年度三重のふるさと応援カンパニー推進事業」について簡単にご紹介して終わりたいと思います。

 

■関係人口とは

「関係人口とは、特定の地域に継続的に多様な形でかかわる人のこと。よく、観光以上移住未満と例えられたりします。具体的には、兼業や副業などの仕事を絡めていたり、祭りやイベントの運営に参画して楽しむなどファンベースの交流を重ねたりするなど、さまざまです。」

出典:内閣官房・内閣府総合サイト「地方創生」より

関係人口はコロナ禍を経験し、東京一極集中の是正の動きが強くなっている昨今では特に大切な考え方となってきています。政府が掲げている「まち・ひと・しごと創生基本方針2021」の中でも「地域課題の解決と地方移住の裾野の拡大につながる、 関係人口の創出・拡大を推進*1 との言及があり、「都市と地域の両方の良さを楽しむ関係人口を増やすため、仲立ちする民間組織をモデル的に支援 *2 することが政府方針に掲げられています。

*1 *2
まち・ひと・しごと創生基本方針2021概要より出典
https://www.chisou.go.jp/sousei/info/pdf/r03-6-18-kihonhousin2021gaiyou.pdf

このようにこれからの社会づくりにおいて重要な関係人口に関して、私たちはビジュアル、またアーカイブスの利活用を通して貢献できることがあるのではないかと以前より考えてきました。そして、より実践的に取り組む機会を今回いただくことができました。


■令和3年度三重のふるさと応援カンパニー推進事業とは?
この事業は三重県庁が公募する事業で、農山漁村と企業が連携して地域資源を活用することで地域の課題解決を目指すもので、令和3年度は株式会社ザイグー(本社:東京都世田谷区、HP :https://zaigoo.jp/)が受託し、アフロと業務提携を行いました。

その後、令和4年2月10日に「令和3年度三重のふるさと応援カンパニー」として三重県の立会のもと、玉城町、南伊勢町、尾鷲市の地域団体と協定を締結し、三重の農山漁村の魅力発信や地域資産を活用した新たな価値創出の取り組みを行うこととなりました。

この事業では、これまで培ってきたビジュアルアーカイブスのノウハウを活かして、地域における関係人口の持続的な創出に寄与する取り組みを行いました。もちろん、本年度以降も三重県3市町とのこの取り組みを継続し、関係人口創出に関わっていきたいと思っています。

※参考:
プレスリリース「株式会社ザイグーと地域資産のビジュアルアーカイブス構築の取り組みで業務提携」
https://group.aflo.com/info/pressrelease/2022/20220215.php

プレスリリース「令和3年度三重のふるさと応援カンパニー推進事業で三重3市町の地域アーカイブ向け撮影を実施
https://group.aflo.com/info/pressrelease/2022/20220323.php